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【No.36】ICタグの利用法
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いきなり本題に入ります。ICタグは一体どのように使えばいいのでしょうか。前回の話でもありましたように、レジの精算で利用すると、お客様から見れば並ばずに買えるストレスの無い店となります。

依然勤めていた会社で私は電算室で内勤をしていました。お店の方でセールを行うので駐車場の整理として応援に行った時の話です。セールが終わり、とある役員が、「今日はお客さんが沢山並んで大成功だった」とおっしゃっておりました。また、他の店舗でのセールでも同じような事を言っていました。その言葉を聞いた私は「ふざけるな!」って大声で叫びました。(心の中←小心者)

確かにお客さんはセールだから、レジで長い列にしょうがなく並んでいます。しかも商品を手にしていて列の半ばまできたらもう列を外れる事も出来ず、最後まで買わなければなりません。しかも大抵の人は文句の一言も言わずにお金を払うのです。しかし、駐車場係をしている人はこれからが大変なのです。長い時間待たされて、やっと買い物をして、怒りを覚えて振り上げたこぶしを下ろす場所が無い。そうして駐車場に行くと、その店のハッピを来た駐車場整理の社員。ターゲット・ロックオン! 私めがけて拳を下ろしてきます。

私も、いきなり

「もっ! どれだけ並ばされたか、分かるの!」とか、
「せっかく来たけど、あの列を見たら買いたくなくなった!!」や、
「もうちょっと、要領よくしなよ」

なんて言われたら、涙が出そうになっちゃいますよ。心の中で「なぜ駐車場係りの俺に、俺が何をしたと言うんだーーー」なんて叫びながら振り上げた拳、振り下ろす場所も無くなってしまい、世の中の理不尽さを覚えた20代初めでした。

確かに、お店にお客さんが沢山いる状況は大切です。でもこれも限度があり、限度を超えると単にストレスになってしまいます。皆さんもお気を付けください。

さて、話が逸れてしまったのですが、このような時のICタグによる精算は効果が発揮されます。今なら話題性も良いですし、何よりお客様の待ち時間が少なくなります。

 

もちろん活用法はそれだけではありません。ICタグを棚につけて、お客様が商品を手に取った事も情報として残せるようになると今までとは違うデータ-を収集する事が可能です。例えば似たような商品A、Bがあります。

商品A 販売個数 5個
商品B 販売個数 5個

これだけ見ると、両方とも同じように思えます。これが現在のバーコードによるポスレジの限界です。これに商品を手に取った回数が加わると

商品A 販売個数 5個  手に取った回数 10回
商品B 販売個数 5個  手に取った回数 40回

こうなると両方の商品はまったく違う物となります。人間って不思議な物で興味があると手にとってしまいます。そして何かの要因を確認し、考え購入するのです。その中で少しでも不安や気に入らない部分があると購入しないのです。

分析してみますと、Aは2回に1個の割合で購入しています。これは棚にあるAの商品は興味を示さないが、本当に欲しい人だけが手にとる商品です。

Bは何かが多くの人に興味を持たせるもがあり、手にとって確認したけど、満足しなかったと言う商品です。価格かもしれませんし、材質かもしれません。機能かもしれません、使い方・効果がピンとこないかもしれません。この答えは実際お客様の視線でその商品を手に取らないと分かりません。何度も何度も手にとり、1個づつ、マイナス要因を取り除きます。これを繰り返す事で、販売個数が6個、7個、8個と増えていくのです。A個は2回手にとって1個売れているので、Bも工夫次第では半分、つまり20個売れる可能性があるのです。つまり4倍です。観察と改善の繰り返しだけで売上が4倍になるのなら、やらない手はありません。

このような方法をバーコードPOSでやるなら、商品を整理しているふりしてお客様を観察するしかありません。でも一度に多くのお客様を観察する事は出来ませんし、全商品について手に取った回数を記録するなんて殆ど無理です。そうなるとやはりICタグが一番有効なのですよね。

後は、ICタグのセットが安価で販売されるのを期待するだけです。

もちろん、それ以外にも沢山の利用方法があります。このICタグは大きな可能性を秘めたシステムで、ここ数年のうちに大きな流通改革がおきる事でしょう。

 

 
     
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